アレルギー性結膜炎に対する新しい「塗り薬」~2025年春の花粉症シーズンに向けて~
Santen Medical Channnelより1
2025年春の多摩地域のスギ花粉の飛散量は、今年の夏の猛暑の影響で例年よりもやや多く(1.3倍)飛散すると予測されています。全国的にも東北を除いてほほ例年よりも多く、特に四国では2倍以上と予測されています。
以前のコラム(スギ花粉症に悩む小中学生と30~50代の方には舌下免疫療法をお勧めします!)で、スギ花粉症を根本的に抑える/治す可能性のある治療法(舌下免疫療法)を紹介しています。
今年度は 12月20日 が治療導入できる最終期限(導入に必要なアレルギー検査は12月13日まで)となっています。薬の在庫はまだありますので、ご興味をお持ちの方は早めに相談していただければと思います。
花粉症の典型的な症状と言えば、「くしゃみ」「鼻水」「鼻づまり」「眼の痒み」ですが、この度(と言っても5月からですが…)「眼の痒み」に対する新しい薬が発売されました。
新しいと言っても、以前からある「アレジオン®(一般名エピナスチン)」が、眼瞼クリームという新たな形として出てきたということです。
この薬は、1日1回、上下のまぶたに塗ることで、まぶたから眼の結膜にじわじわ浸透し、長い時間効果を発揮します。
この薬の利点、特に点眼薬との比較では…
- 点眼薬と比べて濃度が5~10倍!
- 1日1回で24時間効果あり!(点眼薬は4~8時間程度)
- メイクが崩れない! ※メイクする前に塗ってください
- 他の点眼薬に影響しない!
- コンタクトレンズ装用中でも使える!(アレジオン®点眼もレンズの上から打てますが…)
- ステロイドではないので緑内障や白内障の心配がない!
このコラムを書いている私はメイクをしませんので、点眼薬でメイクが流れ落ちることには今まで気が付きませんでした。
一方でこの薬の欠点は…
- 薬代がややお高め(3割負担で1本1,012円)
- 新薬なのでジェネリック薬は当分の間出ない
- 副作用:0.1~5%未満の確率で、まぶたが赤く腫れたり、痒くなったりする
お薬代に関してですが、このクリームは1本が2g、1回の使用量が片眼あたり30mgなので、1日1回両まぶたに塗れば、2000÷(30×2)≒33日分となり、1日あたりの薬代は約30円となります。
これを「エピナスチン点眼液」1日4回、「アレジオン®LX点眼液」1日2回と比較すると、
点眼薬は1滴0.05mlとされており、どちらも1本5mlですので、
- 「エピナスチン点眼液」1本あたり5÷(0.05×2×4)=12.5日分 → 1日あたり約11円
- 「アレジオン®LX点眼液」1本あたり5÷(0.05×2×2)=25日分 → 1日あたり約30円
となり、「エピナスチン点眼液」の約3倍、「アレジオン®LX点眼液」とはほぼ同じとなります。もちろんこれは点眼薬を用法どおり使用した場合であり、回数を減らしたり、失敗して追加で打ったり(眼瞼クリームはまず失敗することはありません!)などで増減しますので、あくまでも参考ということになります。
薬を塗るタイミングですが、例えば日中に外出する機会が多く、外で症状が悪化する方は、朝起きてすぐ塗るのが適しています。ダニ・ハウスダストアレルギーなどで夜間就寝中に症状が悪化する方は、夜の入浴後や就寝前が良いでしょう。
確実な効果を期待したい方、目薬が苦手な方、メイク崩れが気になる方などには適した薬だと思います。
処方を希望される方はお気軽にご相談下さい!
街のクリニック日野・八王子
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